グラニャーノ500年パスタ物語

パスタの歴史は時間とともに失われつつある。 キリストの誕生より何世紀も前から、ギリシャ人とエトルリア人は、今私たちがパスタと呼んでいるものに非常によく似た製品を作り出していた。

 

 

最初の生産は、紀元前1000年の古代ギリシャにまで遡る。

 

ギリシャ語の「laganon」は、油を含む長いシート状で、細長くカットしたパスタの生地を指す。マルクス・トゥッリウス・キケロの作品の中で、「laganon」から派生してラテン語で「laganum」になったものを引用している。「Lagane」とシート状のパスタはやがて帝国に広まり、歴史の中でよく起こる、自分たちのニーズに合わせて商品は変化していった。

1100年~1400年頃の歴史

イタリアのパスタに関する最初の表記は2つある。まず1154年である。アラブの探検家アル=イドリースィーは「弦の形に作られた小麦料理」として彼の観光ガイドで言及されている。Triyah(タリが語源の、現在のアラビア語の、湿っぽい、新鮮なという意の「itija」から。)として知られていた。

 

次に1279年、ジェノヴァの公証人ウゴリーノ・スカルパ氏は、亡くなったナポリの船員の所持品を列挙した。その中にマカロニの入った壺もあった。あのマルコポーロが中国からイタリアへ帰国したのは1295年といわれているが、彼がパスタをヨーロッパに広めたという伝説は、中国の「パスタ」(麺)はイタリアのパスタと似ていないので、事実では無いといえるだろう。

セモラ(semola)の語源はラテン語のシムラ(simla)=小麦粉であり、これはギリシャ語のセミダリス(semidalis)から派生している。おそらく地中海やエジプト語が語源である可能性が高いが、インド-ヨーロッパ語源ではないだろう。

 

保存食の一つとして最初に乾燥パスタを作ったのはアラブ人であったようだ。砂漠での長旅で、日常的に生パスタを作るほどの水が無かったのだ。中央に穴が開いたシリンダー状のパスタが作られ、より速く乾燥することができるようになった。最古の文書化された文献「Ibn al Mibrad」(9世紀)の調理書には、現在のシリアとレバノンで使用されている、ベドウィンとべルベール族の伝統的な料理について書かれている。この料理は「リスタ」として知られており、基本的に乾燥したマカロニを、主にレンズ豆等を用いて、様々な方法で調理をする。 

1400年~1500年頃の歴史

 

バチカン図書館の歴史家でプラティナとして知られているバルトロメオ・サッチ氏は1474年に「De Honesta Voluptate」と呼ばれるレシピを書いている。この中でパスタを保存するための乾燥の方法を記載しており、どのようにパスタを太陽の下で乾燥させ、23年間保存するか説明している。

 

グラニャーノの泉源、山と海からの微風がある乾燥した気候は、1400年代初頭において最初の真のパスタを作るのに最適な場所であった。何世紀にもわたり、グラニャーノの独自の気候によりパスタは屋外で乾燥するものであった。

 

数年後、気候がより変化しはじめた時、パスタを建物の中で乾燥するようになり、厩舎としても使用された。ここで初めてパスタ用の乾燥機を使用しはじめたのである。

 

その後、1500年代にグラニャーノのパスタメーカーは、製パン業者と製粉業者が何世紀にも渡り培った専門知識を集約しはじめた。これが最初の協会の立ち上げである。

 

パスタの良きパートナーであるトマトは、1554年に南アメリカからイタリアに上陸した。が、大規模な栽培は17世紀になり始まった。パスタとトマトの組み合わせはたった4世紀分しか続いていないのである。

1600年から1800年頃の歴史

15世紀にあまりにも多数のパスタ店が存在していたので、1641年、教皇は最低でも店と店の間を24mの距離を置かなくてはならないという法令を発令した。

 

18世半ばまで、パスタ製造者はセモリナ粉と水を足で捏ねていた。この方法はシチリア王国のフェルディナント2世(位:1830年~1859年)が科学者チェーザレ・スパダッチーニに製造機械発明の任務を与えるまで続いた。

 

油圧トルクは1870年に出現し始めた頃から徐々に機械化が進んでいった。19世紀末になると、多かれ少なかれ(パスタを作る)工程は油圧や蒸気エネルギーが原動力の製造機械に代わっていった。全ての製造工程を網羅した最初の機械は1933年に特許を取得した。

 

パスタを作る製造機械は信じられないほど変化し続けたが、私達職人のパスタ生産は変わる事がなかった。パスタは変わる事無く、デュラム小麦のセモリナ粉とグラニャーノの泉から得た水を混合させたシンプルなものだった。イタリアでは生パスタは小麦粉から作られているが、乾燥パスタはデュラム小麦のみで作られている。デュラム小麦と小麦は世界中で最も使用されている2種類の穀物である。イタリアでは両方生産されている。デュラム小麦は主に南部、特にプーリア州で生産されている。一方小麦粉はロンバルディア州、ヴェネト州、エミリア・ロマーニャ州で生産されている。両小麦粉における違いが重要である。 

 

乾燥パスタを生産する際に、必ずデュラム小麦を使用しなければならないとイタリアの法律で定められている。これはデュラム小麦にグルテンが含まれているためであり、乾燥パスタの乾燥工程でバラバラにならずまとまる事、調理した時に“アルデンテ”に仕上げられるからである。

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